落ち葉のあとは

  
「イノシシがつけた　地球の傷を　落ち葉が隠して　冬がやってくる　　　早くサクラが咲かないかな　」

若イノシシ

  
「イノシシが　一頭で　現れた　」



  
「単独行動をしているってことは 　　それだけの歳に　育ちおったってことか　」

鉄塔下の金網

  
「鉄塔の下の　地面に貼った金網は　イノシシが掘り返すのを　防ぐためですかね　　　鉄塔の下と言えば　草が茂って　ウサギさんが好きな場所　だったと思うのですが　　　そう言えば　そこに　私のようなネコが居るのも　変な話なんですよね　」

思い出すのは

              
ネコさん　何を考えてるのですか



              
「えっ　　何も考えて無いよ　　　何も考えないようにしてるのだが　これがなかなか難しい　　　思い出すのは　思い出したくないことばかりだ　」

枯草ぶとん

  
ネコさん　枯草ぶとんは快適ですか
「気持ちいいよう　　このまま　置いておいてくれりゃいいのに　そのうちどこかへ運ばれて　燃やされてしまうんだ　」

茂みの奥

        
「のんびりするには　植え込みが茂って　袋状になった　一番奥がいい　」


        
「茂みの隙間から　周囲の状況を窺うことも出来る　　ワルガキの来襲に備えるには　大切なことだ　」

気になるものは

        
「気になるものは　　１．ほかのネコ
　　　　　　　　　 　　　２．小鳥
　　　　　　　　 そして３．人間の幼児　」

この冬も樹上で

         
この冬もまた　木の上で　過ごすつもりですか
「う～ん　　理由は分からないけど　頭の構造か何かで　他の選択肢が　頭に浮かばないんだ　　　そんな無茶をして　春まで生き延びる自信があるのかと言われると　あるとは言えないが　　去年死ななかったんだから　またやれるさ　って気もある　」

日溜りの裸地

  
「黒いコートは着ているが　超寒がりなもので　　日差しと地面の　両方の熱を　しっかり吸収したい　　イノシシのお陰とは　皮肉だね　」

黒いコート

  
「おれは　黒いコートを着てるから　もうしばらく　日陰の方にいるわ　」

イノシシ砂漠

        
「イノシシが造った荒地も　ちょいと日光浴するには便利　」

戦車隊

  
「うっ　笹を分ける音　ひづめの当たる音　」
『戦車隊が近づいてるんだ　』


  
『ほら　現れた　』

風に吹かれて

  
「高いところに上がっても　イノシシのにおいがする　　鼻に着いてるのかなあ　」
風に吹かれて来るんじゃないですか
「そう言うことか　　嫌な時代よのう　」

頭痛いよ

  
「段々寒くなる　食べ物は少なくなる　イノシシは力まかせに動き回る　　あったま痛いよ～　」

ご兄弟ですか

  
ご兄弟ですか？
「はいっ！　」『おかあ　・・・　』
「弟なんです
　　もう大きくなったんだから　“お姉さん”ってはっきり言えないとダメでしょ　」
『　・・・・　』

電気自動車

             
「電気自動車　なんてのが出てきて　　殆ど音無しで走るんだから　怖いねえ　」