空襲の後

  
「この壁は　どうして　こんなに　壊れたのかなあ　　空襲の後かな　」
古いこと　知ってるねえ　　当たってる　気もするけど

猫を起こすな

  
「写真くらいで　寝ている者を　起こすことは無いだろ　」
すみません　　背中だけでは　絵にならないもので　　それに　一度降りたら　もう一度上ってくるのは　きついっすからね

お魚もどき

  
まだ幼いネコさん　　木の葉が　お魚にでも　見えたのでしょうか　　分かりますよ　その気持ち　　　ジャガイモだと思ったら　そっくりさんの石で　悲しかったことがありましたから

細いホ－ス

            
「普通より細い　バキュームカーのホース　　露地の奥の　いったいどこまで続いているのか　　縄張り内だから　一応確かめておこう　」

忘れ物

  
さあ出勤とばかり　敷居をまたいでは見たが　　何か　忘れ物をしたような気がして　気になるネコさん

  
もどっては見たが　ネコに　忘れ物など 　あるはずもなく　　割り切れない気分で　立ち止まるネコさん　　町は　いよいよ夜になる
「几帳面って言うか　　おれって　神経質な性格なんだな　きっと　」

運転代行

  
「運転代行のお兄さんたちは　遅くなってからが忙しい　　まずはお弁当タイムだ　　これには　お付き合いしないといけません　」

おはよう

  
「おはよう！　」
『おはよう　　元気？　今夜も暑いね　』
「暑いね　ほんと　　港行く？　」
『まずよね　』
夕闇が深まり　　駐車場の影の部分が見えなくなる頃　　ネコ達の一日が　始まります

一番出世だ

  
「待ってられないから　兄弟より先に　活動開始だ　　まだ明るいけど　恐れないぞ　　おれが一番　長生きするんだ　」

花に隠れて

  
「プランターの花の陰に　身を隠せるのは　ありがたいことだが　　もっと早く　暗くなってほしいな　　おなかがすいてんだ　」

便利な通路

 
「新しい住宅地には　便利な通路があるんだね　」
雨が降るまではね

新顔

  
新顔やなあ
「うん　」
今年生まれたんか？
「春　」
どこから来たんや？
「あっち　」
それで　この辺が気に入ったんかいな？
「ちょっと　」

員数外

  
「朝は　何となく　わくわくするねえ　　サイレンも鳴ったことだし　何から始めるかな　
　　まだ　うろうろしている男が居るよ　　数に入ってないのだろうね　」

暑さボケ

  
「丘の上に居ても　無風となれば　暑さで思考力が減退します 」


        
「それならいっそ動きましょう　と腰を上げたが　さて　どこへ何しに行くのか　考えが定まりません　」

ヒョウだったら

  
回遊路から　ふと見上げると　　林縁に半分隠れて　見下しているネコさん　　　ヒョウだったら　怖いなあ

ダンス！

        
「これ　回るんじゃなかったのか　　壊れてんかな　　“ syape up dance ! ”　　無理か　」

トイレの灯り

  
「誰も使わないトイレも　　電灯がついてるから　　暗くなると　虫さんが集まって来るんだ　　それまで待つとしよう　　早く暗くなーれ　」