写すのなら

  
「いつも来るのが早いから　　店は準備中でも　おれを写すなら　みやげ物くらい買っていけよな　」

秋色に写して

  
「秋色に写してね　　日差しがここまで差し込む季節やから　　光が秋色　私も秋色　」

外猫に首輪

  
「外猫の身でありながら　立派な首輪をつけていただきました　　誇らしくもあり　うるさくもあり　です　」

フロントガラス

  
そこを通るなって　　そんな所に足跡残すから　嫌われるんや
「この　半分すべる感じが　気持ちよくて楽しいよ　」

急いで渡ろう

  
「橋の上は　何かあったときの逃げ場が無いから　　急げや急げ　」

外ネコは

  
「外ネコは　あせらず　遅れず　行儀よく　」



  
「あっ　もうあのネコの行く時間や　急がんと　」

塀のくぼみ

  
「私なら　ちょっとした塀のくぼみに隠れて　安全に過ごす　　野良猫なら　これが普通じゃないかしら　」

道路は危ない

  
「道路にしゃがむなって　危ないから　　こっちへ来いよ　　おれのこの場所　替わってやってもいいから　」
自動車がめったに通らないからでしょうね

はじらい

  
人見知りは強いようで　カメラはしっかり嫌われました

新鮮な風

  
愛媛県の瀬戸内海の島ですが　産業は漁業ではなく果樹栽培が中心なので　野良ニャンの数は多くありません
「島の外から人が来るのは　新鮮な風が入ってくるようなもので　楽しいものだが　　今日の客にはあまり新鮮味を感じないねえ　」



  
「５分で飽きてしもうた　」

室蘭の夏

  
室蘭の夏は短く　早くも秋の気配が感じられます



  
「暑い季節は大好きだけど　ノミも元気になるからやーね　」


        
『こんな格好で寝ていられるのも　今のうちだ　』

ネコにやかん

  
古いお寺の手洗い鉢　　しかし　龍吐水や柄杓がないだけでなく　水もたまっていません　　押せばその間だけ水が出る水道蛇口が一つあるだけです　　鉢に水はたまっていませんが　ふたのないやかんが置かれていて　あふれるところまで水が満ちています　　そこへネコさんが現れて　手洗い鉢に跳び乗ると　やかんの水を飲み始めました　　ふたのないやかんは　と言うよりこの手洗い鉢は　ネコさんのために置かれているようです

触れ合えない

        
今日は子猫さんが寝ていました　　ガラスをたたくと　駆け寄ってきて　　ガラスにさえぎられているのが恨めしそうでした

十ヶ月

  
「秋は物思いの季節　　つい　来し方　行く末　を考えてしまう　」



  
「ともあれ　十ヶ月は無事に生きてきたんだ　」

憧れになれずに

  
「ゆっくり座る場所さえこんなところしかない　僕に未来はあるのかなあ？　」



  
『つべこべ言わずに　精一杯生きてみろ　　　とは言うものの　人生の目標になれないで　すまねえな　』

外猫の朝

  
「外猫と呼ばれる身分です　　もうすぐ門扉が開いて　食べ物が頂けます　　こうして人目につかぬところで待っています　　待つのが辛い寒い季節がやってきますが　これが仕事のようなものですから　」