悪猫の顔

                 
暗渠の入口のところに　一癖ありそうな顔のネコさんがおりました　　　昔はこんな　悪猫の顔をしたネコさんが沢山いたものです

クリスマス

   
「これか？　　クリスマスの電飾や　
　　　点くよ　　結構きれいやで　　
　　　　　１２月になったらすぐ点くから　もうすぐや　」

猫の術

        
「こんな風に下半身を投げ出してダラッと寝てると　“頭隠して尻隠さず”だって言われるけど　　こうして遮蔽物の陰から寝ぼけ顔であたりの様子を見ていると　気配を悟られずに世間が観察できるのだ　　これ　猫の術　」

梅雨かな

   
「暗くてむしむしすると思ったら　ポツポツ来たね　　梅雨かな　」

歩く人

        
「人が来た　　歩いてきた　　ヘルメットもかぶらずにだ　」
このあたりを通る人は　そのほとんどが車に乗って通過するのです


        
「双眼鏡にカメラに　三脚まで担いで　　道具の多い仕事だね　」



        
「おまけにネコまで写すんだから　こりゃ大変だわ　」

密会

        
「そろそろ彼女が来る頃だというのに　人が来たよ　」


        
「さっさと写してさっさと行ってくれないか　」



        
「人気のない神社を選んだのに　　来る時は来るんだね　」

落す物

   
「この車は車高が高いので　どちらの方向にもすばやく逃げられる　　ところで　逃げる前に　おっさん何か落とすものないのか？　　なさそうやな　」

新車

   
「新車やねんて　　新車やから汚したらいかんいうて　乗ったらえらい怒るねん　　花が咲いたようで奇麗やと思うのにな　」

明石焼

   
「タコの石焼ではなくて　明石焼　　　開店までまだしばらくかかりそうだから　寝て待ちましょう　」

シャッター音

         
「そのバシャバシャいう音が雰囲気壊すんや　　もうええやろ　」

遠出

   
「春やなあ　　カメラのおっちゃん行動範囲広げたな　ここまで来るか　」
それを言ったらお互い様でしょうが


   
「いつものと違うな　今日は小さいカメラやな　　距離が長いから楽なのにしたな　」

陰の季節

   
「あれだけ日向が有難かったのに　屋根が有難い季節になった　」

孫

                   
「もうすぐ孫が来ます　　100数えたけどまだ来ませんね　　私の体が全部陰になる頃来るはずです　もう少し左に寄りましょうか　」


                   
「道がよく見えるところに　出てみることにしました　」


   
「おお～っ　　よう来たよう来た　よう来たねえ　」
『ばあちゃん　元気っ？　』
「元気だよう　」

昔はよかった

   
「“昔はよかった”なんて思うようになってしもうた　　確かに　ガキのころは震災の傷跡がまだ残ってて　野良猫にとってはその方が住みやすかったけど　」

生き残るにわ

   
「危険を察知してすばやく逃げるものがよく生き残るのか　危険を冒してしっかり食べたものがよく生き残るのか　　どっちや　」



   
「ま　何事も　ほどほどが一番やと思うけど　」

水銀灯の下で

         
神社の公園で　　水銀灯の下に４頭のネコが集まって　何か食べておりました



         
近づくと　まず一頭が走って逃げました



         
ビクビクしながらも　最後まで食べ続けているものも居ました　　　水銀灯の下には　カリカリが撒いてありました