塀の向こう

  
「板塀が取り払われて　小さな谷がでてきた　　こんなところを登っていって　大丈夫なのかな　」


  
『大丈夫　　今　俺　降りてきたもん　』
「そう言うおまえは　何者なんや　　そっちの方が　信用できんわ　」

蓄には無害

  
「ここは　ヒトの来ない場所じゃ　なかったのかい　」
そうは言っても　たまには　草引きくらいしますよ　
　ネコさんの邪魔はしませんから　気にせず　そのまま眠っていてください　



  
『本当に　大丈夫なのだろうね　　　人の言うことなんか　信じる方が馬鹿だ　ってことが多いからね　』 
大丈夫ですよ　　人にはともかく　蓄には無害ですから　

手洗い鉢の水

  
「あのーー　　水が無いんですけど　　出してもらえませんか　
　ネコだけでなく　　カラスも　スズメも　ムクドリも　　時々イタチさんも　　困っています」

ドミソ

  
頭を出したり　お尻を出したり　　仲間の行動を確かめようとしますが　　なかなか統一は　図れません　
みんなと行動を共にする　なんてあきらめて　　朝日を楽しむものもいます　
「頭でも尻でも良いけど　二つおきじゃなくて　一つおきにしないと　ドミソにならないぞ　」

気が付けば一人

  
「だれも付いて来なくて　気が付けば　私一人になってしまった　　いいのかな　」
『ええんや　ええんや　　考えて動いてる奴なんかおらん　
　カリカリくれる人間が来たら察知できる範囲なら　　どこにいてもええんや　』

総意のまとめ

           
「ここから入ろうと　思うんだけど　どうかな　」


           
『ここへ入るんじゃなかったのかな　　みんな　行かないの？　』

ネコの　集団意思決定の悪さは　大したものです　

朝の出勤

  
一方では　　昼勤族の朝の出勤かと思われるような　　忙しそうに　同じ方向に向かう　一団もありました

会議の夜明け

  
夜を徹してのニャン会も　　明るくなる頃になると　よそ見をするもの　あくびをするもの　い眠るもの　　もはや議事進行は　無理のようです　　さすがに　タバコを吸う者はいませんが　

猫の順番待ち

  
　階段の途中に　何か好いものがあったようです　　それも　ある程度量のあるものが
今食べているネコの　すぐ横に　もう一頭います　　この２頭は親しい関係なのでしょう
猫の順番待ちは　取り巻くような形で　　間をおいて待っています　　それでも　順番は　ほぼ守られるようですから　あのサルより　賢いのかも知れません

一歩ずつ行こ

  
「どいつも　こいつも　　気合の入らない　奴ばかりで　」


  
『そう言う　あんただって　　へたり込んだ　じゃないか　
　頑張りようが無いんだから　　一歩ずつ行くしか　無いんじゃない？　』

まあまあ元気

  
「おーい　　みんな元気でおるか　」
『うーん　　まあまあやね　』
［まあ　ぼちぼち行くしかないな　］

車道横断

  
ネコさん　車が来たよ　車！　車！


  
そこまで行けば大丈夫　とは言うものの　　猫の車道横断は　寿命が縮みます

令和の初詣

                 
「令和になったからって　初詣なんかするの　私だけか　」

嫌な経験

  
一度捕まえたが　　避妊手術をしてもらう手配が付かなくて　放してやったネコさん　　　今度は　なかなかつかまってくれません　
「何言ってんだ　　俺にだって　学習能力はあるんだ　」

橋を渡る風

  
ツバキの花もほとんど無くなり　カエデの芽が吹きはじめると　　橋を渡るネコの歩みも　ゆったりとしてきます


  
「まだ少し冷たいが　橋の上を渡る　川風を　楽しむ余裕がでてきたんだ　」

令和ネコさん

  
令和ネコさん発見


  
「新時代だそうで　おめでと　」
おめでとう
「ネコにもヒトにも　難問山積みで　　うまく行くのですかね　」
 うまく行くと　信じることにしましょ