タイヤ隱

      
「ややっ　　俺のタイヤ隱の術を　見破ったな　」
たいそうに言うことないでしょ　　生まれつき　体毛が黒いだけなんだから
「・・・だけ　と言うが　　それが生死を分けることもある　」

偉大な２メートル

  
「今日は　場所　変えたったで　」
場所変えたって　２メートル動いただけやないか　
「この２メートルは　小さいが　猫達にとっては　偉大な２メートルや　
　　大切なのは　まず始めることや　　“千里の道も梅田から”　て言うやろ　」
聞いたこと無いわ　

溝のふた

  
「コンクリートのふたが　ここから木のふたに変わる　　しかも　その下に　レンガが置いてある　　　その理由が分からない　　いつも通ってはいるが　何か仕掛けがるような気がして　通るたびに気持ちが悪い　　サルどものすることに　理由なんか 　無いのかもしれないが　」

車に香り

  
おいおい　そこまでして良いとは　言ってないぞ



  
「カッコイイ車に乗るんだ　香りの一つも付いてないと　また振られるぞ　」
またとは　何やねん

落葉の下の土

  
「砂が一番だね　　次はやわらかい土かな　　どちらもありそうで　探しても　なかなか見つからない　」


  
「そこで　落ち葉の溜まったところを　使わせてもらっています　
　　使用感は　まあまあってとこかな　　お尻を洗う水は出ないけど　
　　　落ち葉の下の　軟らかい土は　プレミアム腐植土で　売れないかな　」

秀吉の隣の家

  
「後から　声をかけたのは　何者かな　
　声はすれども　姿は見えず　」
カメラを構えているから　顔の半分が隠れてる　だけなんですけど

  
「豊臣秀吉が生まれたとき　隣の家で飼われていたネコの　流れを汲む私を　　後から呼び止めるのは　無礼でしょう　」
　・・・・・・
おるんやなあ　こんなんが　　名古屋にも　

 

いつも同じ

  
いつ来ても　同じ場所で　同じ姿勢で　寝てたら　　絵にならんがな　
「文句を言うな　　安全で　日が当たって　風が当たらぬ場所　なんて　　ここくらいしか無いんや　」

背中にも顔

            
「背中にも顔がある　ネコがおるんや　　　怖いやろ　」
『怖いやろ　』
「おまえが　声出したら　バレるやないか！！　」

死ぬまで生きる

  
ネコさん　厳しそうですね　
「厳しいね　　腹は減るし　寒いし　　　太陽だけが　味方や　」


  
頑張って下さいよ　　桜が咲くところまで　行ったら　　好い風も吹くでしょう　
「有難うよ　　励ましてくれるのは嬉しいが　結局　死ぬまで生きるしかないんや　」

インバウンド

  
「インバウンドとか言うらしいが　人が増えるのは有難いが　感覚の違いに　神経を使うよ　　　どこまで安全かが　うまく計れない　　　何かくれる率も低いね　」

損な役

      
「ゴミ袋を破って中身をチェックするのは　ネコには大変な仕事や　　労力の割りに　引き合わん　
　カアが食い散らかして　ネコがうらまれる　　損な役や　」

街はどうですか

  
「街はどうですか　　ヒトの目で見て　何か変わったことありますか　
　　何か良いことあると　好いのですが　　それは贅沢ですかね　」

わびさびネコ

  
はがれた壁板　　風にえぐられたか　土のない壁　　　わびの世界や　
ひなびたさびネコが　よう似合うなあ　
「似合いたないわ　　　何がわびさびじゃ　腹減ったわい　」

家造り街創り

  
野良猫は　やっぱり　屋根の上が絵になるね
「だとは思うけど　　おっちゃん　それは　古いんやで　」
そうやな　屋根の上に見かけることが少なくなったな　　どうしてかな　
「屋根に上がれる場所が少なくなった　　塀の上からヒョイと跳び移れるような場所がね　
それに　屋根や樹が少なくなって　隣の屋根や樹や跳び移れる場所が　うんと少なくなったんや　
　町や家の構造の変化やね　　鼠小僧とネコに棲みにくい　町創りや　」

おっちゃんらが

  
「近所の奴らが　下に入れよったゴミは　　トラックとおっちゃんらが来て　持って行ってくれた　　　有難いね　　　日も長くなってきたし　」

車内に置かない

           
「人間の子どもだけじゃなくて　イヌもネコもや　」
『そうだそうだ　　イヌやネコを車内に閉めこんで　死なせた奴は　死刑だ　』