時の流れ

  
つい　半月あまり前まで　　骨と皮だけになったような老猫が　日光浴をしていた　この場所に　　見知らぬ若者が　寝るようになりました

ストーカー

  
モミジの新しい枝と芽の色が　ネコさんの毛色によく似ています
「そんなこと　どうでもいいじゃない　　うるさいんだよね　なんだか　」


  
こうして見ると　　古い板塀とも　よく似合います
「もういいから　　早くあっちへ行ってよ　」

お願いの季節

         
「花が咲いたと思ったら　首写真のポスターが咲いて　　またお願いが始まるんやね　」

高齢者登山隊

  
「老人登山隊が行く　土曜日かな？　　おれもこのままパトロールに出るか　それとも　もう一眠りするか　」

敷き布

        
室外機が動く日は　少なくなりましたが　　　まだ動く日が無いわけではありません
「そちらも少し使わせてよ　」
『広くて敷き布がある方が　いいに決まってるんだ　　ここは絶対に譲らないぞ　』

植木鉢より

        
「植木鉢より　ネコの方がいいでしょ　　ねえ？　　どう？　」
・・・・・・・・

真冬の匂い

  
「冬の　めっちゃ寒かった頃の匂いがする　　　嫌な季節も　過ぎ去ってみれば　懐かしくもある　」

怖そうなネコ

        
ちょっと怖そうな　ネコさんが居ます
「この顔の　どこが怖いねん　」
そんな言い方するから　怖いんですよ　　　ちょっとですよ　ちょっと

車の屋根は

        
暖かくなって　車の屋根のネコさんは　機嫌よさそうです　　　このネコさんは　車の屋根がフライパンのように熱くなる季節を　まだ知らないはずです

すだれの季節

  
早くも　すだれの上ですか
「これの有り難味が分かる季節が来るなあ　　それはそれで厳しいけど　楽しみや　」

逃げろ

  
「やばい　逃げろ逃げろ　」



  
『そんなに言うほどのこと　無いんじゃない？　』
「そかな？　」

うさん臭そう

  
「うさん臭そうなのが　うろついてるな　」
そう言うネコさんこそ　かなりのものですよ

苦い春

        
元ボス　　春の光にも　なかなか元気が出ません　　冬の疲れよりも　人生の疲れの方が　大きかったようです


        
こちらにも 　まだ春を楽しめない　お方が居ます　　　春の訪れは　必ずしも彼らの見方をしてくれないようです

背景の色なんか

  
ネコさん　ネコさん
　　黒いシートの上を選んだのは　背中の黒を意識してのことですか
「そんなもん　気にしてない 」
ネコさん　ネコさん
　　白い格子のフェンスの前を・・・・・・・・
「気にしてない！　言うてるやろ　」

普通によい季節

  
「春の気配が近づいて　ヒトが増えた　ネコも増えた　　顔の傷の痛みと　荒れた毛並みの惨めさを考えなければ　普通によい季節なんだよな　」

ボスでなくて

  
「どう見ても　ボスの顔には見えないやろ　　ボスになんかなれなくてよかったわ　　平和な日々　送ってます　」