続 ご隠居

  
つつじの花が盛りに近くなる頃　またお会いしました　　　前回見たときの　１mほど離れた場所へ　墓場をまっすぐ歩いて来ました　　　カメラを構えると　まぶしそうに目を細めてしまいます　　　そこそこのおうちで　そこそこの生活をして来られた　おネコ様のようです

ご隠居

  
まだサクラの花が咲かぬ頃　墓場の隅で　日光浴をする　見知らぬネコさんにお会いしました　　　初老のようで　落ち着いておられ　人に対する態度からも　墓猫とは思えません　　　ご近所の　ご隠居様が　春の風を求めて　一足早く出て来られたようです

ネコ友地蔵

         
またっ　　お地蔵さんの上に乗ったりして　罰が当たるよ
「ええねん　ええねん　　お地蔵さんは　ネコのお友達やねん　　お供え物を食べても　怒ったこと無いねん　」

これが一番

  
おいしい顔　してますねえ　　何を食べたのですか
「う～んと　　　黄色いカリカリ　これはおいしかった　これが一番　　　阪神のキャップかぶって　長靴はいて　自転車に乗ってるオッチャンに　　　そう言うといて　」
知りませんよ　そんな人

速足

  
ネコさん　速足で　どちらへ
「べつに　目的があるわけじゃ　ありません　　冬は　寒さにいたたまれず　　春は　身も手足も軽くなって　　速足になるのです　」

樹上生活の付け

              
ネコさん　元気無さそうですね
「冬の間の厳しい樹上生活が堪えて　体が思うように動きません　　花は咲いたが　調子はいつもどるのやら　」

行き止まり

         
ネコさん　どうしてそんなに　おびえてるのですか
「このくぼみは　奥が行き止まりで　逃げ場が無いから　迫ってこられたらどうしようかと思って　」
それなら　すぐに　横に逃げ去れば　いいじゃないですか
「それが・・・　そこまでするほどの　相手にも見えないし・・・　」

とばっちり

  
「おれはこれから　この家に　忍び込んで　一仕事するんや　　オッサンそばに居て　とばっちり食うと　いかんから　　早いとこ　離れといた方が　ええで　」

悲しくなる

         
「伏せた植木鉢の上には　食べ物は何も無くて　落ち葉が腐って土になってる　　　春だと言っても　悲しくなります　」

サーバルＣａｔ

         
「俺って　サーバルキャットに　似てるだろ　」
それが何やねん
「それを言うから　嫌いなんだ　　関西のオッサン　」
誰が　オッサンやねん
 
 

東京なまり

              
「怪しい奴やな　　ダークスーツでネコ写すなんて　怪しい　」


              
「ほんまに怪しい　　東京なまりの　日本語が　特に怪しい　」

海辺のゴミ箱

  
「あんな男に　ウインドサーフィンが出来るんかいな　」
『何を要らんこと言うてるんや　パンツザルのすることなんか　どうでもええやないか　　さっさとあさって　さっさと出んかい　　みんな待ってるんやから　』
［そうやで　　レディーを待たせるもんやないで　］
「レディーやて　　レディーが　ゴミ箱あさるんかいな　」

とくほ

  
溝のトンネルは　スムースに通れましたか
「おう　開通　開通　　何とか食品の　とくほ飲んだようなもんや　」
効果がありますか
「知らんがな　」

心配するな

         
喉のところの毛が抜けて　ただれています　　そのせいか　ミーアキャットのように　首を伸ばして頭を高くした　姿勢をとっています　　単にくせなのかも知れませんが　　　顔は元気そうですが　毛並みはもじゃもじゃと波打って　健康的な感じがしません
「いいから心配するなって　行ける所までは元気に行くから　」

百に一つは

              
「いつも野良さんが寝ているところへ　しゃがんでおりますが　　実は私　近くの新興住宅の宿ありでございます　　　一段高いところから　春の風を感じながら　辺りを見下すのは　実に気分のいいもの　　　野良さんの方が恵まれたところが　百に一つくらいは　あるような気がします　」

春の憂鬱

        
「暖かくなって嬉しいが　当然いいことばかりじゃない　　散歩のイヌも　人間の子供も増えてくる　　ちょいと石垣の上に逃れて　やり過ごせばよいようなものが殆どだから　いいけど　」