しっぽが歪む

  
「う～ん　　またしても知らぬ奴の臭いや　　むかつく　」
些細なこと気にして　なわばりにこだわり過ぎる　ケチな根性やから　しっぽが歪むんじゃ

電動アシスト

      
「電動アシストいうて　　坂道でも楽なそうな　
　ネコにはよう分からんが　　なんや高そうな仕掛けが　付いとる　」

考えること

  
3匹そろって　何を考えてるのですか
「背中がかゆいから　そろそろ夏かなあ　　とか　」
『トランプは　わしらのこと　どう考えてるのやろうか　　とか　』
[マスクも10万円も要らんから　ネコ小屋が欲しいなあ　　とか　]
「　・・・　とかとかやね　」

仕事が板につく

  
おっ！　　隙間から見上げる顔は　“どろぼうねこ” そのものやね　
「それも言うなら　“仕事が板についてきた” って　言ってほしいね　」

地形が良い車

      
それ　誰の車ですか
「誰の車かなんて　つまらないこと訊くねえ　
　宿なしだって　見れば分かるでしょ　
　この場所の地形が気に入ってるから　眠ってるだけ　
　この辺のつくりは　なかなか良い車だよ　」

軒の板が腐って

  
「空き家は　猫にとっては　自由に使える　有難いものだが　　　年月が経つと　この姿だ　　　むき出しになった軒の板が　さらに腐って　俺の体重でも踏み抜きそうだよ　　　ヒトが居なくなるのは　ネコが居なくなるのと同じで　寂しいもんだ　」

犬に蹴られて

            
「おっさん　噛みつかれたな　　犬に蹴られて死ぬかい　」
犬に蹴られても　なかなか死ねんやろ　　同じ死ぬなら　酒におぼれて死にたいわい　　

決め時

  
「ちょいと　　キツネ色の　いかしたお兄さん　」
『なんや　　俺のことか？　』

  
「パカパカ　ストロボ焚かないでよ　　気分壊れるから　
　物事には　決め時ってのが　あるんよ　」

陰に隠れても

  
「陰に入ってるのに　どうして見つけたんや　」
体は陰に入っても　バックが明るくて　目が輝いてるから　すぐにわかるよ　
「確かにそうやな　　パンツザルは　次々と便利で厄介な世界を作ってくれるわ　」

猫の目露出計

      
「あっかるいなあ　ほんまに　
　そのカメラにも露出計着いてるよね　　俺のネコの目露出計と　どっちが正確かな　」

俺の溝

      
「この溝は俺のものだ　勝手に使うな　出ていけ!!　」


      
「やだよー　だ　　　溝は公共設備だ　　それに　葉っぱのお布団に　俺の匂いをたっぷり浸み込ませてやったから　もう俺のものだ　　出て行かないよー　だ　」

泥棒ネコ

      
「泥棒ネコはないだろ　まじめな野良猫なんだから　
　落ちてるものを　そのまま腐らせたんじゃ　浮かばれないだろうから　　有効利用しただけなんだから　」
“落ちてる”　と　“置いてある”　の　違いは判るんかい　
「ネコだからって　馬鹿にすんなよ　　　けどなあ　　分からない方が幸せなことが　沢山あるんだ　」

イワシのつみれ

  
「赤い花もいいけど　団子の方がいいな　
　イワシのつみれなんて　たまらないね　　　おっちゃん持ってない？　」

先生嫌いや

                
おまえ　一回罠にかかったら　もう掛からんようになったな　　　けがや病気をしても　捕まらんと何もしてやれん　　　けがも病気もするなよ　
「ふむ・・・　　　先生嫌いや　」

俺もネコだった

  
「見合い写真がどうしたって　　　
　俺の耳見てくれよ　このざまだ　　恋も希望もどっか行ってしまって　人生暗いよ　」

見合い写真

           
えらいすましとるな　　それなら　お見合い写真を一枚写そか　
「見合い写真なんか　いらんわ　　男には不自由してないんや　
　超空腹やし　寝る場所も　まだ探してないけどな　」