木枯紋次郎と七人の侍がネコになったらいいな
---Ninjya AD---
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「ネコに危険が迫っても SECOM はこんやろ
そんなもんに 何の意味が あるんや
大層に 赤いステッカー 貼ってからに 」
それはちょっと・・・ 思うけど 説明のし様が無いから
しんどいことは 止めとこ
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「何でもない 生えたばかりの木の枝のような顔をして このバラの蔓め 春になれば 草に混じって トゲでネコを傷つけるのだ 」
「暑さに身の置き場が無かったここに座ると 足の先から順に 冷えてくる」
「軒下に 古い布団とフワフワマット これが俺たちには有難いんだよ “夏にそんなもの要らないだろう”って人が多いけど 夏にも寒い夜はあるし それに何より体が休まる 」
それは分かるとして 後の箱は何か意味があるのですか
「残念ながら よくある質問ですね 箱の意味が分かる人と分からない人がいる あたりまえですが それは 思いやりのある人と無い人との 違いです ヒントは “秋の次は冬” かな 」
「一応飼い猫ですが この家の者では ありません
この家は 玄関先がこれ かなり 危なそうですが
人の出入りが少なく 日当たりが好い
今のところ トラブル無しで 来ています 」
新顔ですね しかも 耳のカットが入ってない ネコさんを責めるわけには行かないが 頭の痛い話です
「耳どころか お腹まで切られちゃ たまらないよ
だから 罠なんか仕掛けても 掛かってやらないからね
掛からなかったから 今日まで 生きて来たんだ 」
「うん? イタチの臭いかな 」
「この臭い 気に入らんな 」
「溝にゴミをするなよ ドブなんて言われても 野良猫にとっては 大事な幹線通路なんだから 」
「上からは いかんぞ 無礼者!
ネコは 上から来られるのは 苦手なんや 」
「落葉の中に 気が付けば 古い石垣の角が出ている
谷沿いには わずかな平らな土地が残っていて
何年昔の事か知らないが ここに人が住んで 田畑のわずかな作物と シイやドングリを糧として 命の綱渡りを 続けていた時代があったらしい
今は俺たち野良猫が 命の綱渡りを 続けているんだ ここで暮らすことの 厳しさは 俺たちにも よく分るよ 」
ムーちゃん!
ムーちゃんのいたころは 良かったね まだどこかに お母さんやお祖母ちゃんの 臭いが残っている 気がしてたよ
今年の夏はね ものすごく暑いんだ ほんとに 生きてられないほどだよ 父さんも もう5年分も年取った気がするよ
「なにも そんなに怖がることは ないんやで
あのおっさんはな 身なりは汚いけど 害にはならんのや
何もくれんけどな 」
「ここは無人の家 “いいとこ見つけたね”って 言われるけど 無人の家は 気楽でもあり 寂しくもあり 気配と言うか 体温みたいなものが 無いんだよ 」
「物思いにふけるのが コンクリートの 橋の下 なんて どこまで行っても さえない 世の中だね 」
「この塀は 何やねん 横の棒が上と下の端にしかのうて 金属で出来てると来てるから ネコの爪が利かんやないか 」
登れんと 分かったら 諦めたら どうなんですか
錆ネコさん おひさやね お会いせぬ間に 耳パッチンが入りましたね これで 食べる物もないのに 子供を育てる 野良メスの辛い人生から 解放されましたね
「そうに違いは無いのだけれど 気持ちは複雑よね 例えばよ “恋の無い人生に 意味なんてあるのか” ってことにもなるじゃん 」
確かに ヒトの価値観の押し付けかも知れないけど 悲しいことは 少なくあってほしい と思うじゃないですか 今んとこ それよりましなものを思いつかない 民主主義みたいなものですよ
「民主主義ね・・・・・」
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