高い木がすみか

          
「どいたどいた　　ここら辺りの　低い木には　用は無いんだ　　人の手の届かぬ　あっちの高い木が　おれのすみかだ　」

轢かれるぞ

  
おい　ネコ　　車に轢かれるぞ　　白いからなんて思ってたら　あかんぞ
「うん　」
道端のゴミ　くらいに思ってる奴が　少なくないんやから
「分かってる　」

棲んでる環境

  
「どんな環境に棲んでるのか　よく分かるだろ　　ネコにも　一定の空間が与えられて　有難いことだが　　ここは都会の真っ只中　　ネコなんか居ない方が良い　と思っている奴らも　少なくないんだ　　現実は厳しいよ　」

通学路お断り

  
「学生さんはダメってか　　ネコは気楽でいいけど　いきなり追い払う奴もいるから　安心は出来ないよな　」

その時刻

  
「お客は無くとも　そろそろその時刻だから　　頂くものは頂かないと　生きていけない　」

青竹に霜

  
「竹林の青竹にも霜が降りるって　見るからに冷たいよな　　足が冷たい　　出店のトラックが　一台上がって行ったから　もうそんな時刻なのに　」

１階と１階

  
「道路から　１階の家の間の通路を裏に出て　階段を２階分降りると　また１階なんだ　」

どこへ行く

  
ネコさーん　　どこへ行くのですか？
「それが決まってたら　こんな所に　座ってないわ　」

世間の営み

  
ネコさん　そんな場所が　お好きですね　
「世間の営みを眺めるのは　楽しいもんだ　　優越感みたいなのも　あるしね　　ちょっと寒いけどね　」

お堀の石垣

  
ネコさん　そんな　石垣の端へ行って　大丈夫ですか
「石垣の端なんか　平気平気　　　石垣の壁面を歩き回るのも　平気だよ　　たまに　落ちる奴も　居るけどね　」

落ち葉の山で

   
「落ち葉の山に　座ってるからって　排泄してたわけじゃないぞ　　毛づくろい　してるだけ　」

ないしょ話

  
「塀の上から　道を行き交う　イヌやサルどもを眺めるのは　楽しいものだが　
　　塀際に寄っての　ひそひそ話は　どうも気になる　」

日本の街に洋猫

  
「日本の街に洋猫なんて　それも野良　　注目された時代もあったけど　　今じゃ　珍しくもなんともない　」
 
 
 
   
「和猫に負けない　立派な野良猫になりましょう　　　車に轢かれんように　さっさと行こ　」

飼主の責任

  
「イヌのフンの後始末は　飼い主の・・・・？何　」
『セキニン　や　』
「セキニン　て　何？　」
『さあ　・・・　私かて　何でも知ってるわけと　違うよ　』
「ネコのフン　と違うから　　分からんでも　ええな　」
『飼い主もおらんのに　何気にしてんの　』
 
 

小市民

       
おっと　町では珍しく　凄みのある　フテネコさんですね
「“小市民”と言うのは　あんたの様なのを　言うのかい　」
　・・・・・　

六甲山猫

  
「岩の上に立って　尻尾をピンと上げたりすると　新種の野生猫に　見えないかな　」



  
「後の山に　もう少し　凄味が欲しいな　」