ホースの季節

              
「墓場の端の　お寺の建物との間にいます　　風が当たらず日が当たる　　良い場所です　　　ところで　水道の下に　ぐるぐる巻いたホースがあるでしょ　　ホースなんて名前も　何に使うものかも　忘れてしまいそうです　　　毎日大活躍する日が続くのも辛いものですが　氷が張る季節より　草木が水を欲しがる季節が　来て欲しいです　」

自然の抵抗

  
「私が座ってるのは　もともと公園を訪れた人が座るように造られたもの　　ところが今では　ご覧の通り　草や木の枝に包まれて　人が座るのはちょっと無理　　猫のためにあるかのような姿になりました　　人工の構造物が　 自然の再生力に飲み込まれていく姿も　時にはいいものじゃないかな　」

墓場の入口で

  
寺の墓場の入口で　ネコさんたちが日光浴をしていました
「あの人　鳥を見に来たのとちがうのん　　ネコも見るのかなあ　」
『さあ　　双眼鏡は高そうやけど　カメラはちゃっちいな　』
 

カモにできず

  
河口の川岸を進むネコは　カモの群れを発見　　そ～っと（のつもりで）近づきます



  
ネコが近づくと　カモたちは　全くあわてることなく　声も出さずに水上に逃れ　風に吹かれた浮き灯篭のように　静かに岸を離れて行きます


        
あきらめたネコは　芦原に消えて行きます　　　こんな横着な狩でも　極々まれには　成功することがあるのかも知れません

夏の思い出

  
ここは波板の下に少々隙間があって　夏には　ヘビ　トカゲ　カエル　その他もろもろの小動物が　よく通るところでした　　晩秋になっても　クロネコさんは　ついチェックしてしまいます


  
「夢見てる場合じゃないよ　先を急ぎましょう　」

少数派

        
「今年の花見も最後だけど　ちょっと寒いね　」
『花冷えって　この頃になると　毎年そうなんだわ　』
［寒いといっても　冬のこと思えば　軽いよ　こんなの　］


        
［おっちゃん　写してばかりで　花見しないのかね　］
『人の中で　趣を解するのは　うんと少数派なんだって　』

花びら見

  
手洗い水の屋根の下で　　ネコさんたちは　散ったサクラの花びらの　花見を楽しんでているようです

散った後で

  
「見知らぬネコや　ヒトがおいでになって　　花を見にござったと思うのに　　散ってしまった後で　申し訳ない気分だね　」

散った散った

  
「散った　散った　散ってしまったわ　　　花のじゅうたんもいいけど　すぐに茶色くなって　今年のサクラも終わりだね　」

早く見ないと

      
「わっ　また散った　　　早く見ないと　散ってしまうよ　」
『うん　ちょっと　　落ち着いてから　』



        
「サクラの幹みたいな　おっさん　　来てる　」
『意味が分からん　』
「黒くて　でこぼこや　」
ほっといてくれ

お墓参り

                  
「お墓参りですか　　ようお参りになりました
　お供え物は　原則すべてお持ち帰り下さい
　ただし　ビスケットやパンなどは　必ず袋から出して　そのままにしておかれるのが良いかと存じます　」

ネコの御案内

                   
「ようお参りです　　私にかまわず　もっとお近くに寄ってお参り下さい
　ローソクに火を点されたときは　必ず火を消してからお帰り下さい
　お地蔵様へのお供えは　お地蔵様の台の上において下さい
　お賽銭は　お地蔵様の台の　正面の穴に入れてください
　ネコへのお供えは　私が寝ております縁側に置いて下さい
　お参りが済みましたら　気をつけてお帰り下さい　」

猫に御喜捨を

  
「お寒い中　ようお参りになりました　　　こちらのご本尊は霊験あらたか　　猫にご喜捨をされますと　一層のご利益が得られると申します　」

厳しいお正月

               
時々雪が舞う中　法面の草地に子猫がうずくまって居ます　　　こんな厳しいお正月もありました

ネコにやかん

  
古いお寺の手洗い鉢　　しかし　龍吐水や柄杓がないだけでなく　水もたまっていません　　押せばその間だけ水が出る水道蛇口が一つあるだけです　　鉢に水はたまっていませんが　ふたのないやかんが置かれていて　あふれるところまで水が満ちています　　そこへネコさんが現れて　手洗い鉢に跳び乗ると　やかんの水を飲み始めました　　ふたのないやかんは　と言うよりこの手洗い鉢は　ネコさんのために置かれているようです

ネコとカルガモ

             
ネコはカモを獲りたいのでしょうけど　完全に姿を見せるなんて　　真剣さと言うか　全く経験が足りないのでしょうね　　　カモの方は　安全な距離を保ちながら　ゆったりと過ごしています