耳にパンチ

      
ネコさん　食器で食事ですか　　それより　耳にパンチが入りましたね　　一時は嫌な思いをしたでしょうが　自分が食えないのに子供を育てる　大変な重荷から解放されたんですよ　　そりゃあ喜べない部分があるのもよく分ります　それでも　何事も自分が生きていればこそなんですから　
「ふむ　・・・　」

カアにやられた

      
「お腹がすいたら　また食べようと　思っていたのに　　カアの奴に　きれいにされてしまった　　　どうもあいつらとはリズムが合わないね　」

引っ付きむし

  
「冬だと言うのに　空き地には　とげや粘液で　嫌な種をくっつける草が茂ったまま　　言ってるまに　日陰になってしまったが　日向へは行きづらい　　ネコが草ごときに制約されるなんて　しゃくだねえ　」

屋根のカーブ

      
「近頃の車は　屋根のカーブが　微妙に変化するのが多い　　高級感と言うか　高速感みたいなのがあるけど　どこに寝ても落ち着かない　」

      
「前を向いても　後ろを向いても　屋根の上からの視野が広い　　それは良いことなのだろうが　なんとなく落ち着かぬのも事実や　　まだ改良の余地ありやね　」

充電ポイント

      
良い場所に陣取りましたね　　囲まれてる様で　どちらにも逃げられる　　日当たりは良好　
「ネコの充電ポイントやね　」

正月にならぬ

      
「例年なら　お正月もこの裏道は人がまばらで　甘えるにはちょうどよかったのに　」
『本道すら誰も来ず　　ここに貧乏そうなオヤジが一人では　正月が正月にならんな　』
「あいつの声だけが　正月や　」

マスクを着けて

      
「ようこそお参りになりました　　初詣は元日に限ったものではございません　年が明けて初めてお参りするのが初詣　　急がず慌てず　マスクを着けたままで　1～2ｍ距離をおいて　三々五々お参りください　」
おまえ　うまいこと言うなあ　　声だけ聴いてたら　例年と変わらぬ盛況やないか　

落ち葉を集めて

  
「落ち葉を掻き寄せて　俺がどうする気か　おぬしに分かるかな　」
昼寝か　それは平凡過ぎるから　おしっこやろ　
「ブー　　うんこ　」
汚い話をしなさんな　　野良の身と言えども　誇りと品位を欠いてはいけません　
「そうありたいけど　難しいな　　そんな気分やなくなるんや　だんだん変わって行くんや　」

３月の影

  
「３月の声を聴くと　影が急に短くなった気がする　　それは嬉しいが　そのうち　ほとんど影が無くなる季節が来るから　怖いね　　お天道様も　もう少し物の加減を考えてほしいな　」
お天道様の悪口はやめましょうよ　今　温かくて幸せでしょ　
「そりゃまあ　確かに　」

コロナか経済か

     
「子供のいない　幼稚園に小学校は　悪ガキが居なくて　静かでいいけど　　ヒトが居ないと　俺たち野良ネコの実入りも少なくなる　　コロナ対策か経済か　　ほんとに難しい問題やね　」

チゴザサ？

     
「このチゴザサは　野生種？　栽培種？　」
『これだけ背丈があるから　野生種と違う？　　チゴザサかどうかも　分からんけど　』
「そうやね　もっとほんとのササかも？　　パンツザルが作った　広い道があるから　助かるけど　　このササをかき分けて進むのは　かなりしんどいよ　」

西部劇

              
「うしろに回るなよ　　後ろから撃つ奴は　悪い奴に決まってるんだ　　主役は　正面から正々堂々と勝負して　勝つんだ　」
そんな話　どこで仕入れたんや　　今の人は西部劇なんて知らんぞ　

植木の箱

  
「ずっと　ずっと　ずっと　　どこまで行ってもアスファルト　　肉球が痛いよ　
　植木を植えた箱をならべて　環境を守っている気でいるんだ　　要するに自分をだますのが上手なんだよ　きっと　」

花咲く季節

  
「花が沢山咲いとるけど　花咲く季節の雰囲気は無いな　　冬の花なのかな　無いよりましやけど　　花咲く季節が来てほしいな　」

フクロウ小路

  
「ここは　フクロウ小路の　行き止まりよ　　突き当たりは門で　いつも閉まってる　　ネコは勝手に通れるけど　」
袋小路やろ　　ゴミにぼろ自転車で　門前と言うのに　ばっちいなあ
「美ネコが居るから　ええやないの　　あ　ださいおっさんが来たら　またマイナスやな　」
うるさいわい　

昔は良かった

  
ぼちぼち春だと言うのに　毛皮の手入れが雑だねえ
「そんなの　毛づくろいでもしようかって　気になるだけの　休養と栄養が　あればの話だ　　　これでも　ボス補を張ってた時代もあったんだぞ　　今じゃ　毛皮磨いたって　寄り付く女もおらん　　御忠告は有難いが　現実は重いよ　」