何か良いこと

  
ネコさん　おはようさん　
「おはよ　　なんか良いこと　あるかい？　」
良いことなんて　そう簡単には無いんや　　ヒトの世界も一緒やで　
嫌なことなら　なんぼでもある　　聞かせたろか　
「い　ら　ん　!  」　

いなくなった

  
「トカゲもバッタも　少なくなってしまった　
　少なくとも　俺たちネコが食べたから　　だけじゃないぞ　
　サルどもが　生息環境の容量を　うんと小さくしてしまったんだ」

ゆったり生きよ

  
「あまり真剣に考えないで　紀州の海を眺めて　ゆったり生きようよ　
　やめたくても　野良猫　やめられないんだから　」

長生きしよう

  
「漁港の野良猫が　魚が食えずに　保護団体のおかげで　カリカリ食べるなんて　なさけないなあ　」
『まあそう言うな　現実は受け入れるしかない　　有難いと思って　生きられなかった奴らの分まで　明るく　長生きしようや　』

漁網の山

  
「ロープと漁網の山は　空気が通って　夏にはよい休み場所や　　ネコにはありがたいが　もはや本来の目的で使われることがない　というのも悲しいね　
　それより　このかゆいのは　何とかならんのかな　」

脚が痛む

  
「港の　コンクリートの斜面は　冬冷たくて　夏熱い　　
　それでなくても　ネコの脚は　岩場を歩くようにできてないので　つい　脚を痛めてしまう　」

木製のトロ箱

  
「木製のトロ箱なんて　懐かしいけど　中が空　ってのは　寂しいね
　これだったら　燃やしても毒ガスは出ないし　海に捨てても　やがては朽ちてなくなるんだ　
　“昔は良かった”　と思うのは　年のせいだけじゃない気がするぞ　」

春の港

  
「春の港って　いいもんでしょ　　これで水揚げがあったら　言うこと無しだけどねえ　」

もてないクラブ

  
「なんやなんや　女同士が何の用や　」


  
「なんや　もてないクラブ　するんかいな　　情けないなあ　」

若いの探そ

  
「あんた　なんやのん　いやらしい　　若い娘ばっかり見て　」


  
「あんなん相手にしてたら　こっちが老けるわ　
　　こっちはこっちで　若いの探そ　」

ネズ公かも

               
「何か走った　
　　　　ネズ公かも知れん　
　　　　　　　逃がさんぞ！　」

違うやろ　　フナムシやろ　　ゴキブリかも知れんぞ　

鉄の柵

  
シロさん　飼い猫だったのですか
「そうなんよ　　大層に　鈴なんか付けられて　
　大事にする気があるのなら　鉄柵の通り道くらい　開けといてくれよね　」

草藪に小鳥

  
「藪に小鳥が飛び込んだ　」
『草藪で　小鳥を捕まえるのは　無理や　　繁殖期を待って　ひなを狙うんやな　』

元気なれども

  
「お～い黒いの　　久しぶりやな　元気かい　」


  
『元気なれども　　空腹が続くと　これも病気みたいなもんやな　』

ロボネコ

  
「わしは　Panasonicの　ロボネコじゃ　」
　本物なら　東京弁しゃべるやろ

昔の話

  
「防波堤がかさ上げされて　ここからすぐ　海だったなんてこと　知ってるものも　もうすぐ居なくなるんだ　」