ネコ時計

  
「日時計ができるのかと　思ってたら　　ただの案内板やったな　
　日時計なら　影の先に座って　ネコ時計にしようと　思ったのに」
『どうせ続かんやないか　面倒なだけや　』

LED

  
「夜の10時半や　いうのに　この明るさや　　どうなっとるねん　」
『あれやがな　LEDやがな　』
「昼でも夜でも　ネコに大した問題は無いけど　　幽霊さんは　困るやろな　」

絵になる風景

      
　こんなところまで　パトロールですか
「うん　まあ　」

      
「このケヤキの根の張り具合 　
　後の石碑の立ち具合　
　玉垣とアジサイの絡み具合
　そして　優雅なネコの休み姿　　絵になるだろ　　これが見せたかったのや　」

普通にしてたら

  
「こんなもので良いのかな　」
　それで十分　リーダーに見えますとも　　今度は気にし過ぎですよ　
　身に備わってるものだから　普通にしてたら　ちゃんと　そう見えるんです　

  
『私は　これでいい？』
もちろんです　　それでちゃんと　意地悪ばあさんに見えますから　

あほうつる

  
黒縞ネコさん　お元気ですか　
「しゃべったらあかんで　　そのおっさんと話してたら　あほうつるで　　ろくなこと　教えへんねから　」

どこかにネコが

  
　お寺のネコさんが　どこかに潜んでいます　　さて　分かるかな　
　そんなもの　見りゃあ　すぐ　分かるがね

お邪魔虫

      
「あのひさしの上で　昼寝したいけどなあ　　お邪魔虫は　嫌われるしなあ　」

わてねるし

      
「ねむたいねん　　クロちゃん　オヤジの相手したって　　わてねるし　」

向かい猫

  
「うしろのオッサンが言うには　奥の玉垣が　ええんやて　
　あんなぼろやのに　おももきがあるとか　いうて　」

  
『そら　おむむきやろ　
　それより　私らの向かい合った姿の方が　ずっとええのになあ　』
「“向かい猫のマーク　ここにあり”　て　宣伝してた会社　あったのに　あのマーク　見んようになったなあ　」
『つぶれたんと　ちゃう？　』
「それはないやろ　　ないとは　言えんけど　」

逃げられた

  
「おっ　動いた動いた　何か動いた」


  
「これは　間違いなく　トカゲの臭いや　」
　早い話が　逃げられたんかい　
「そういうことになるのかな　　匂いだけでは　お腹膨れないし　」

陰に黒猫

      
　石碑の陰に　クロネコ　　黒いものが暗い所にいると　　カリカリの配給なんかに　通過されませんか
「そういうことも　そりゃあ　無くはないが　　人に見つかって　良いことなんて　まず無しだね　　良い気配がしたら　こちらからお迎えに行くよ　」

神様の正面

      
「神様の正面に座るなて　誰が言うてんのよ　　ネコはええねん　
　それより　神様の正面にお供えが無いて　どういうことやのん　
　ネコに文句言うてる　暇あったら　　お供え持っといで　」

牛さんと比べて

      
「牛さんと　比べられても　　そりゃ　比較にならないよ　
　私の方がスマート　と言っても　存在感じゃ　違い過ぎるよね　」

シャムの時代

      
　こちらの水鉢は　水もかれて　寂しいなあ　
「なんか用かい　用なんか無いてか　そうやろな　
　シャムネコが　もてはやされた時代を　知ってる人間は　もう半分が死んだそうやないか　　
　そう言うわしも　知らんけどな　」

朝は忙しいのに

      
「在宅勤務が増えてるらしいのに　今日も出勤ですか　
　朝は忙しいのに　カリカリ　お水　　ありがとう　
　カリカリは　もう食べてしまったけど　昼寝して感謝してます　」

ノラネコじゃ

  
トラさんにしては　腰高で　　ヒョウさんにしては　ずんぐりして
「トラでもヒョウでもない　　ネコ　ノラネコ　　ノラネコで文句あるんか　　トラがこんなところ歩いてたら　すぐに射ち殺されるぞ　」